【防災】知らないと恐ろしい…火災発生時「立って逃げてはいけない」本当の理由【元レスキュー隊員が解説】

【防災】知らないと恐ろしい…火災発生時「立って逃げてはいけない」本当の理由【元レスキュー隊員が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

元レスキュー隊員として「助かる命を助けるために」をテーマに、防災YouTubeチャンネル「RESCUE HOUSE」を運営するタイチョー氏。本連載では、同氏の著書『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(2022年刊行、KADOKAWA)より一部を抜粋し、自分や大切な人の命を守る知識やテクニックを紹介します。今回は「火災の対処」を見ていきましょう。

実は、火災で一番怖いのは「煙」

火事で亡くなった方の約半数は煙(一酸化炭素中毒と窒息〔ちっそく〕)が原因といわれています。

 

煙は上へ上へと逃げていく習性があるので、煙を吸わないように低い姿勢を維持し、ハンカチなどで口や鼻を覆って行動しましょう。

 

また、煙は有毒ガスのため、火災現場で目を開けると強い痛みを感じますが、かがんで低い姿勢をとることで比較的視界もクリアになります。かがんで出口を確認して、低い姿勢を維持しながら避難することが大切です。


 

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【NG行動①】立って逃げる

⇒火災が発生して間もないときは、煙と空気の層の境目である「中性帯(ちゅうせいたい)」と呼ばれるものがあります。不用意に立って動くと、この中性帯が崩れ、下の空気の層にも煙が混ざり、視界がまったく見えなくなって逃げられなくなります。また煙は熱を持っているので、のどをやけどする危険もあります。

 

【NG行動②】上の階に逃げる

⇒煙が垂直方向に上がるスピードは毎秒3~5メートルで、オリンピックの短距離走選手が階段を駆け上がったとしても逃げ切るのは困難です。

 

【ワンポイント】助かる命を助けるために…

⇒壁伝いに玄関まで行く練習をする。(慣れてきたら目をつぶって練習する)

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イラスト:みぞぐちともや 出所:タイチョー著『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)
[図表1]火災のときは、「煙の動き」を理解して「常に低い姿勢」で避難しよう イラスト:みぞぐちともや
出所:タイチョー著『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)

火災は「初期消火」がとても大切

火災発生直後から天井に火がまわるまでの間に火を消すことを「初期消火」といいます。周囲に火災を知らせるとともに、消火器や水を使用してすばやく消火活動を行います(図表2)。

 

出所:タイチョー著『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)
[図表2]初期消火がとても大切 出所:タイチョー著『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)

 

屋内で火災が起きた場合、約3分で天井に火が燃え移るといわれています。天井に火がまわった時点で初期消火は限界となるため、火災現場から避難し、到着した消防隊に消火活動をまかせましょう。

 

 

タイチョー

株式会社VITA 代表取締役

元大阪市消防局職員/防災アドバイザー

 

元レスキュー隊員として「助かる命を助けるために」をテーマに、防災YouTubeチャンネル「RESCUE HOUSE」を運営。災害現場のリアルな声とともに、災害大国ニッポンならではの「気づき」を日々発信している。YouTube登録者29.5万人(2024年2月時点)。

 

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※本連載は、タイチョー氏の著書『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典

消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典

タイチョー(著)
みぞぐちともや(イラスト)

KADOKAWA

【「いざ、そのとき」のあらゆる災害から命を守る】 自然災害・人災・日常の事故やトラブル…。「もしも」のときに備えて知っておくべき【58の対処法】を紹介! 数々のレスキュー現場で救助してきたレスキュー隊員だから…

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