子どもの「感情表現」はどう発達し、どう「コントロール」できるようになるのか?

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子どもの「感情表現」はどう発達し、どう「コントロール」できるようになるのか?

発達障害の子は感情表現が苦手なケースが多いですが、そもそも感情表現はどのように発達し、どのようにコントロールできるようになるのでしょうか。みていきましょう。

子どもの感情表現はどのように発達する?

子どもの感情表現はどのように発達するのでしょうか?

 

生まれたばかりの赤ちゃんにも感情の表現はありますが、まだ泣くことが中心です。泣くことで「お腹がすいた」「眠たい」と不快を訴え、お腹がいっぱいになり眠りが充足すると心地よさそうな表情をします。そして目が見えるようになると、何かに興味を向けることも出てきます。そのうち微笑むようになり、泣いて不快を訴えるだけはなく、怒ったり怖がったり、また悲しそうな顔、嫌そうな顔をするようにもなります。何かに興味を向けることはますます増えますが、その中で驚く様子も見られるようになります。生後6ヵ月頃には豊かに感情を表現するようになってきますので、親にとっても子育ての楽しさが増していく時期です。

 

このように子どもの感情表現は、発達に伴い豊かになっていき、幼児期の比較的早い段階で、すでに大人と同じようなレパートリーの感情表現が見られるようになります。そして子どもの表情や様子から、親がその感情を理解し受け止めてあげることは、状況に応じた適切な感情表現のスキルにつながっていきます。

 

さまざまな発達と感情コントロール

感情を適切に制御しコントロールできるようになるためには、さまざまな発達が関連しています。

 

まず、わかりやすいのは言葉の発達です。感情を「嬉しい」「悲しい」「悔しい」と理解できるようになると、自己を客観視する視点が生まれ、それだけで感情をコントロールすることにつながります。また、自分の気持ちやどうしたいのかを言葉で周囲に伝えられるようになることで、より適切なサポートを得やすくなります。

 

さまざまな認知の発達とも関連しています。環境の中には非常に多くの雑多な情報があふれていますが、必要な情報だけに集中すること、あるいは何か変化があった時に適切に対応することは、それに伴って起こる感情を制御することに大きく影響します。この注意の制御や切り替えは、ASDでこだわりが強い傾向があると、より難しくなることがあります。

 

それから、記憶の働き、特にワーキングメモリーがうまく働いていないと、記憶を保持しつつ何かに取り組むことに困難があるため、行動から起こる感情にも適切に対応することが難しくなります。他者の感情や状況への理解が深まり、同時に自分を客観視できるようになると、自然と感情表現にも変化が生まれます。自己を中心としてまわりを見る時期から、徐々に全体が見えるようになることで、感情を制御するメリットを感じられるようになるからです。

 

感情のコントロールはそれだけを練習すればできるようになるものではなく、さまざまな認知発達と関連しています。我慢を強いるだけでは難しいのです。寄り添ったサポートが大切です。

 

本連載は、株式会社コペルが運営するホームページ内のコラム(https://copelplus.copel.co.jp/column/)を転載・再編集したものです。